節分おばけとは?

仮装して鬼を驚かす年越しの行事

古くは江戸時代から京都で


 節分の日に仮装をして鬼を追い払う行事である『節分おばけ』。旧暦では節分は年の終わりであり、鬼がやってきやすい日とされています。そこで鬼を追い払う意味での追難式や豆まきが行われていました。その一環で仮装をして鬼を追い払うこのおばけは、江戸時代頃より昭和初期にかけて京都を中心に広く民間で行われていた楽しいお祭りです。その後、戦争を境に急速に衰え、現在では京都祇園や大阪北新地などに残るだけになってしまいました。
 おばあちゃんは振り袖を着て、男は女装をし、女性は男装をするなど、身分や属性を超えた格好をすることが許された特別な日です。その異装をして四方の寺社をお参りする四方詣りで1年の厄を落とせると考えられていました。まさにイタリアのカーニバルやアメリカのハロウィンに近い楽しいイベントが日本にも昔からあったのです。
参考図書:真矢都『京のオバケ』(文春新書)

■節分おばけ祭の目的


 2002年に旅館中原の女将・中原孝さんにより復活したイベントです。節分おばけ祭を行うこで月の閑散期の観光振興を図ろうと、京都の観光関係諸団体で結成されました。これまで、京都旅館女将会のメンバーや、京都の旅館ホテル、観光関係業者、文化人などで構成され、京都市・京都府・京都商工会議所の後援をいただいております。第5回目には京都市長からおばけによる観光振興の感謝状をいただきました。
 第8回の本年は、京都で開催するだけでなく、東京でも開催し、全国各地の観光振興につなげられればと思い、全国各地が関わってくる戦国時代をテーマにしました。このイベントで全国各地のアピールができればと思います。特に今年は戦国時代ブームが若い女性に来ていると言われ、若い女性中心の集客を行います。

■これまで8回行われた主な活動内容


第5回2006年2月3日 京都駅前広場に特設ステージを設置し豆まきと寸劇、平安神宮から河原町周辺・三条烏丸までパレードを行いました。参加者120名
第6回2007年2月3日 観光バス数台をチャーターして伏見稲荷・吉田神社などに四方詣りをしました。120名参加。
第7回2008年2月3日 京都市の支援により京都市役所に特設ステージを設置して、酒呑童子の寸劇を行い、三条烏丸~河原町界隈をパレードしました。250名参加。
第8回2008年2月1日 テーマは戦国時代と直江兼続の天地人。戦国時代にちなんだゆるきゃら彦根のしまさこにゃんなど数体の着ぐるみと武者行列のパレード。ゼスト御池地下街のぼくらのあそび基地、三条町づくり協議会の餅つきと協同で行う。終了後は戦国BARで直江兼続にちなんだ料理を仮装で食べる会。全イベント合わせて700名参加。